SHINOBI感想

と、言う事で見てきたのでネタバレ感想
予想に反して面白かった。ベクトルとしては「ガンダムにおけるGガンダム」。
「これは甲賀忍法帖か」と聞いたら意見が真っ二つに分かれるだろう作品に仕上がっていた。
面白かったのは、いくつかの要素を原作と「逆」にしていた点。
その辺を含めて印象に残った点を。

  • 争忍の理由が「世継ぎ争い」から「鍔隠れと卍谷の殲滅」に。まあ、あんなのが敵になったら勝てる気はしない気はする。
    • 逆になっている点1。原作は「家康が天海に助言を求めている」映画は「天海が家康に進言している」。原作では家康の意向だが映画版では天海の意向になっており、これが映画版ラストの複線っぽくなっている。
  • 朧と弦之介の逢瀬。妙に後ろ向きでむしろバジリスクの若き弾正&お幻っぽかった。
    • 逆になってる点2。2人だけの祝言を挙げようという話で鷹を立会人にするのだけど、映画版では弦之介の鷹になっていてこれもラストに少し関わる。
  • 駿府城阿鼻叫喚。噛ませ犬の柳生の皆様マジ不憫。印象的には夜叉丸>小四郎。
    • 本編には一切関わらない上に台詞も無く画面の中央にも移らないくせに眼帯だけで存在感を撒き散らす柳生十兵衛に笑う。確か十兵衛は1607年生まれで劇中は1614年なので当時7歳。どんな7歳児だ。
  • ひっそり弾正vsお幻。昔2人に何かあったような台詞あり。やはり星がちごうたのか。
  • 争忍開始。「世継ぎ争いのために殺しあえ」と言う口実は原作読んで無いとイマイチ意味が分かりづらい気がする。
    • 逆になってる点3。「戦う事を決意するが踏み切れない弦之介」と「あくまで戦いを拒む朧」が「朧と戦いたくない一心の弦之介」と「里を背負い戦う事を決意する朧」に。その辺の副作用で弦之介がわがままを押し通す駄目頭領に。と、言うか嫌われてるよ弦。
  • 夜叉丸と蓑念鬼の機動力が凄いのは分かるんだけど、先行した甲賀組が5人で旅してるのに2人で襲うのはどうかと思った。
  • 蓑念鬼うかつ伝説を継承
    • 戦闘中にふともも見せられて発情→毒の息で死亡って天膳以下ですよ。この展開のために野生児にされたのか。
  • 夜叉丸が糸で切り刻むキャラから糸で飛び回る台湾っぽいキャラになってたのが割と新鮮だった。
  • 鎖鎌って鎌投げる物だったっけ?
  • 如月左衛門キモイ。
  • 木彫りの仏作るのに夢中で後ろから刺される天膳。真面目そうなキャラに変えられても、うかつの呪いは生きているのか。
  • 天膳の再生速度速すぎ。
  • 街中で一戦繰り広げる小四郎。少しは忍べ。
  • 左衛門さん、せっかく潜入してるんだし寝込み襲うとかもうちょっと考えましょうよ。
  • 蛍火死亡で朧覚醒。蛍火が重要人物とは思わなかった。
  • 破幻の瞳が幻を破って無い件について。てか、見ただけで関節逆に曲げるってどんな技だ。相手の体をある程度自由に操れるんだろうか。
  • 遠江 小夜中山」で危うく烏龍茶を吹きそうに。掛川はやっぱり呪われてるなぁ。
  • 薬師寺天膳が死ねない死にたがりに。でも何か底が浅い。争忍の真意が明らかに。でも、5名選ぶとか条件つけなくても里単位で戦わせれば良いんじゃないかと思うんですが。
  • 天膳の復活のメカニズムは「体内に再生蟲が巣食っているから」らしい。
  • 原作の見せ場を失った陽炎がわりとあっさり退場。死に際に陽炎の毒を取り込んだら再生蟲が死んで天膳も死亡。なんだったんだあんたは。
  • 服部の刺客相手に弦之介の瞳術発動。周囲の時間を遅く出来るのか超人的な身体能力を得られるのかが微妙に分かりづらかった。
  • 弦vs朧
    • 逆になっている点4。「弦之介のために自ら胸を刺す朧」から「朧の刃を受け入れる弦之介」に。
  • 朧に里を託して死ぬ弦之介。でも朧は里が襲われてる事を知るタイミングが無かったような。
  • 里襲撃。攻め込むかと思ってたけど徹底的に遠距離で攻めてた。そりゃ近接戦闘じゃ勝てないしね。
    • 十兵衛の存在感は異常。
  • クライマックス、朧と家康。
  • 里をそのままにしてくれ、と言う朧に「太平の世に破幻の瞳とか持ってるお前らは危険だから駄目だ」と答える家康。自らの目を潰す朧。その決意を見て願いを聞き届ける家康。
    • 展開としては王道なんだけど家康の行動は正直一貫性が無いと思う。最初に天海からの進言、と言う形にする事で家康が乗り気でなかったと言う伏線を張っていたが、乗り気でなくても天下の太平のために決意した事を情で覆すってのはなぁ。
  • 何かもう全滅寸前の両里。朧が見たらさぞ驚くだろう。
  • 申し訳程度に「徳川の世を生き延びた」とだけ説明されている両里。結局400年来の諍いは解消されてないんだろうな。
  • OPと同じ構図で現れる朧。弦之介は居ないが弦之介の鷹は居る。小さいがこれも救いなのか。
    • 原作の救いの無さからすればこれもハッピーエンドなのかもしれない。